ハムスターの診察Hamster examination
ハムスターの診察
Hamster examination
病院への来院例
1)おしっこが赤くて、何回もトイレに行きます。
- 病名:
- 膀胱結石
- 治療:
-
レントゲンに写る大きさでは、自然排泄は困難なため外科的摘出が必要となります。
【画像】(クリックすると患部の画像が表示されます。閲覧にはご留意ください)
膀胱結石(レントゲン)
膀胱結石(摘出中)
膀胱縫合(摘出後)
膀胱結石
2)足が変な方向に向いています。足の先がプラプラしてます。
- 病名:
- 四肢の骨折
- 治療:
-
外固定などの内科的治療や、手術による外科治療になります。きちんと治すには、ワンちゃんや猫ちゃんと同じく外科手術になります。
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骨折部位
レントゲン(術前)
ピンニング手術(術中)
レントゲン(術後)
3)足が折れているようですが、黒くて硬くなっています。
- 病名:
- 解放骨折による血行不良による組織壊死
- 治療:
-
組織が壊死してますので、外科による断脚が必要となります。
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解放骨折(後肢壊死)
後肢断脚部(術後)
断脚部
麻酔覚醒後
4)先生、鼻から角が生えています! 元気はあるのに、食餌を食べません…。
- 病名:
- 切歯の不正咬合
- 治療:
-
切歯をカットする事で食べるようになりますが、画像のような突き抜けた場合は、麻酔下で歯を抜かないと出血により窒息する可能性もあるので、慎重に行う必要もあります。
【画像】(クリックすると患部の画像が表示されます。閲覧にはご留意ください)
重度の不正咬合により切歯が皮膚を突き抜けた様子
レントゲン画像
カットした切歯
歯切り後、口腔内の様子
5)最近お水をよく飲んで、おしっこの量がとても多いです。なんかお腹が膨れています。
- 病名:
- 腎がん。慢性腎臓病。
- 治療:
-
腎がんの場合、画像のように摘出手術になります。
慢性腎臓病の場合は完治は出来ませんので、内服を飲みながら付き合っていく病気となります。
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毛刈り後(術前)
腎臓腫瘍(術中)
縫合(術後)
摘出した腎臓腫瘍
6)おっぱいの部分にシコリがあるんですが…
- 病名:
- 乳腺腫瘍
- 治療:
-
外科手術による摘出手術しかありません。早期発見早期摘出が理想ですので、日ごろから病院で検診を受ける事をおすすめします。
【画像】(クリックすると患部の画像が表示されます。閲覧にはご留意ください)
術前のシコリ
切開後の乳腺腫瘍
術後の縫合
2週間後の抜糸後
7)血尿?が出ましたが、元気も食欲もあります。お腹の一部分がしこりのようになっていて出ています。
- 病名:
- 子宮がん。
- 治療:
-
外科手術での摘出が基本です。内科治療では治りません。状態にもよりますが、必ず外科手術を行える病院を探してください。
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腹部のでっぱりと外陰部からの出血
出血を伴う外陰部。血尿ではありません!
子宮癌摘出(術中)
縫合後(術後)
8)口から赤いものが出ています。
- 病名:
- 頬袋脱
- 治療:
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多くは外科手術で還納させるか、摘出します。再脱出が多いため摘出手術の方が良いかもしれません。
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頬袋が口から出ている
頬袋を結紮(処置中)
頬袋切除後
切除した頬袋(処置後)
9)あごが腫れています。
- 病名:
- 下顎のアブセス(膿瘍:膿の入った出来物) ※下の奥歯の虫歯が原因です。(奥歯はあります)
- 治療:
-
これは内科治療ではよくなりません。必ず外科治療をしなければ治りません。あえて空気に触れさすように術部を解放創処理し、自然に傷口が小さくなる術式を使用します。普段からおやつやサプリなどの甘いものを与えていた結果です。
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下顎の膿瘍による腫れ
膿瘍切開後の膿(術中)
再蓄膿を防ぐための造窓術を施術
小さくなった患部(2週間後の術部)
10)お尻まわりが黄色く汚れています。おしっこを漏らしたのでしょうか?
- 病名:
- ウェットテイル(下痢症)
- 治療:
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一見おしっこでお尻周りが濡れているように見えるほど、水下痢になっています。発見してすぐに病院へ連れて行かないと、助けられなくなることが多い病気です。命を落とす確率が高いので、様子を見ずにすぐに連れて行きましょう!
【画像】(クリックすると患部の画像が表示されます。閲覧にはご留意ください)
下痢による肛門周囲の汚れ
一見、おしっこで汚れているように見えるが、重度の下痢症の臨床症状
11)身体の毛が脱毛して、ずっと痒そうに掻いています。
- 病名:
- 真菌性皮膚炎
- 治療:
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細菌性皮膚炎と似ていますが、治療薬が違います。抗真菌薬でないと治りません。
【画像】(クリックすると患部の画像が表示されます。閲覧にはご留意ください)
検査キット(真菌陽性)
脱毛・フケ・痒みなどの臨床症状(強い痒みの為、食欲も落ち痩せてしまっている(第1病日)
治療により発毛・痒みの消失(第14病日)
完全に毛が生えそろい、臨床症状が消え治療終了(第50病日)