ご来院ケースのご紹介/ハムスター

ご留意:患部の画像なども掲載しておりますので、閲覧の際はご留意願います。

<読むにあたって>

ハムスターも、犬猫同様に手術をすれば助けられる病気が数多くあります。現在ハムスターの手術を行える獣医師は増えてはいますが、まだ多くはありません。あきらめずに、先生と良く相談をして最良の方法を選択してください。麻酔のリスクや予後の状況を理解した上でお読みになれば、これから紹介する症例も手術で助けられる事がお分かりになると思います。この症例紹介が大切なハムスターちゃん達の一助になれば幸いです。

<Q1.おしっこが赤くて、何回もトイレに行きます>・・・膀胱結石

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術前 X線所見
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膀胱切開前

この症例は、血尿と頻尿を主訴に来院しました。尿の色がかなり赤いため、X線検査を実施した所、膀胱内に直径2~3mmの結石を確認しました。
飼い主様との話し合いにより、外科的摘出を行う事に決定しました。
ご存知の通り、ジャンガリアン・ハムスターはゴールデンハムスターに比べると体重換算で1/3から1/4ほど小さいです。その膀胱はとても小さく、繊細かつ迅速な手術手技が要求されます。また膀胱を縫合する際の縫合糸も特別に細い糸が必要となります。
手術としてはワンちゃん・猫ちゃんと変らないので、定法通り摘出して閉腹しました。
術後1時間後からは元気に食餌を摂り始め、3日後に無事退院しました。結石の成分は、炭酸カルシウムでした。

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膀胱結石確認
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膀胱結石摘出中
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膀胱壁を縫合
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表皮を縫合
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摘出された結石

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<Q2.足先が変な方向に向いて歩いています>・・・骨折整復手術

ハムちゃんを飼育する上で、事故による骨折は比較的多く遭遇する症例です。このハムちゃんは、金網ゲージの一部に足を引っ掛けてしまい、骨折(画像1)をしてしまいました。X線画像により下腿骨の遠位端骨折(画像2)を確認し、当院にある骨折整復用ピンのサイズが挿入可能であったため、飼い主様と相談の結果手術を行うこととなりました。
骨折部位からピンを挿入、骨折を整復し余剰なピンを切断、皮膚を縫合しました。(画像3~6)術後X線画像で整復部を確認(画像7)して、問題なかったので終了としました。術後すぐに後肢を使用して歩いてくれました。

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画像1
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画像2
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お分かりになるりますか。白い矢印の部分が、骨折整復用のピンです。
直径 03.mmの細さでなのです。

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      画像7

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白矢印の先に、踵から出た余分なピンが見えます。これを切断します。指の大きさと比較しても、かなり細いピンであることが分かりますね。



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<Q3.足が折れているみたいですけど、何か黒くて硬くなっています>・・・断脚

この手術は出来るだけ避けたい手術ですが、時々止むを得ない場合に遭遇をします。前述したケージに足をはさんだ場合、不幸にも『開放骨折』(画像8)となった場合は断脚が適応となります。手や足の先に悪性腫瘍ができ、腫瘍のみの摘出が不可能な場合や、綿のような巣の素材が糸状になり足に絡んで壊死を起こした場合、また骨折治療で外固定だけの場合なども、ハムスター自身が気にして噛んでしまい、骨が出てきてしまう事があります。露出した骨から細菌感染が起こり、全身状態の悪化が起こる事を防ぐためにどうしても断脚が必要となるのです。
手術は、ワンちゃん・猫ちゃんと同様の方法(画像9,10)で施術します。当然、麻酔管理がデリケートなので、熟練したスタッフの下行わなければなりません。短時間で手術を終わらせ、適切な処置を施せば、片足になってもハムちゃんは覚醒後すぐに順応し動き始めめます(画像11)。

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画像8
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画像9
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画像10
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画像11

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<Q4.先生っ! 鼻から角が生えています!>・・・切歯の不正咬合

この病気は、主に金網ゲージを継続的にかじる事で生じるものです。いわゆる『斜め噛み』から発生する事が多いので、このようなハムちゃんの場合はゲージの変更を余儀なくされます。多くの症例が『元気はあって食べたそうにしているけど、食餌がほとんど減らない』『元気なのに痩せてきた』などといった症状で来院します。その診療時に、過長した切歯が口をふさぐように食餌摂取を邪魔しているのです。その時点で気付いて来院すれば、切歯のカットでまた普通に食べられるようになる事も多いですが、気付かずにいると切歯が顎を貫通する(画像12)事もありますので注意してください。この症例は、『鼻から角が生えて来た』という訴えで来院しました。過長した切歯が上顎を貫通したものと診断し、麻酔下でX線画像を確認(画像13)して、切歯のカット(画像14)を行いました。処置後、患部(画像15青矢印)に消毒を施し抗生剤を処方し終了としました。ただし一度生じた不正咬合は、今後一生処置をする事となるので定期的に処置を行ってください。

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画像12
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画像13
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画像14
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画像15
   

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<Q5.最近おしっこの量が少なくて、お腹が張っている感じがします>・・・腎臓摘出手術

ハムちゃんは、食べられてしまう動物のため病気を隠す事が上手である。そのような動物が、自覚症状の乏しい病気になると、病気の発見が遅れて突然亡くなったりして悲しい思いをします。
この子は年齢2歳3ヶ月。健康診断時に腹腔内に大きくなった腎臓を触診で確認しました。最近尿量が少なくなってきていて、食欲も少し落ちて来たとの事でした。腎臓の腫大により、腎からの尿排泄困難が原因の尿量の低下と判断しました。現時点での年齢を考えると、話し合いの結果大きくなりすぎる前に摘出する方が良いと判断し手術する事となりました。腎臓は大きな血管の近くにあるため、非常に難しい手術の一つとなります。特にジャンガリアン・ハムスターの場合、身体の大きさを考えると(画像16)難易度は更に高くなるでしょう。
開腹すると大きく腫れた腎臓が見られました。血管と尿管を結紮し、慎重に腎臓を摘出したあと(画像17~20)、腹腔内を洗浄し定法通り閉腹しました(画像21)。術後数時間からは、自力で食餌も食べてかなり動き回っていました。その後、尿量も正常に戻り体重も以前と同じくらいに戻りました。摘出した腎臓の病理検査は『腎癌』(画像22)という結果でした。

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画像16
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画像17
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画像18
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画像19

赤矢印が腹腔内のできもの
がある膨らんだ所

     
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画像20
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画像21
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画像22
 

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<Q6.おっぱいの部分にシコリがあるんですが>・・・乳腺腫瘍摘出手術

当院では、皮下の腫瘍は男の子・女の子共にジャンガリアン・ハムスターでは良く遭遇する症例ですが、女の子の場合乳腺腫瘍に良く遭遇します。男の子の皮下腫瘍に比べ乳腺は血管が充実しているため、男の子より少々厄介な手術であるといえるでしょう。
他の手術にも言えますが、これだけ小さな身体のため、できる限り出血量を最小限にとどめなくてはいけません。
この症例は左胸の乳腺が腫大(画像23,24)したため、乳腺腫瘍と診断し摘出手術を行いました。大きさは2cm×1.5cm×1cmで、身体の浸襲を最小限視するため、乳腺の部分摘出を施しました(画像25~27)。
二週間後の抜糸時は、術部をいじってしまったため多少カサブタがありましたが、ほぼ綺麗に癒合していました(画像28)。病理検査結果は、『乳管癌』でした。

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画像23
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画像24
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画像25
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画像26
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画像27
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画像28
   

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<Q7.この子の避妊手術をしたいのですが・・・>・・・ジャンガリアン・ハムスターの避妊手術

本来、避妊手術は手術をしないことによって起こる病気のリスクと、麻酔をかけることにより起こるリスクを天秤にかけ行うかどうかを私は考えて決定します。ワンちゃん・猫ちゃんは言うに及ばず、うさぎさんなどの雌性生殖器疾患の発生率の高さを考えると、手術を行う事が当たり前になしました。しかし、ハムちゃんの場合は麻酔リスクや身体へのストレスを考えると、基本的には避妊手術を行わないですが、どうしてもと言う飼い主様からの依頼があったため行った避妊手術の症例です。手術法はワンちゃん・猫ちゃんと変わりはありませんが、麻酔管理のスタッフの技量による所が大きいため、自信がなければ行わない方が良いと思います。幸い当院スタッフはハムちゃんの麻酔管理に長けているため、安心して手早く手術を終了する事ができました。
余談として見てもらえれば幸いです。

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画像29
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画像30

開腹時腹腔外に出て来た
子宮と腸管(頭は右にある)

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画像31

赤い矢印が左右子宮角である
当たり前だが腸管より細い

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画像32

子宮摘出後、子宮の動脈の結紮
私の指と比べてもらいたい

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画像33

摘出された子宮
赤矢印は卵巣

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画像34

閉腹し無事終了

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患者様ご来院エリア:江東区 豊洲 東雲 辰巳 有明
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