うさぎの健康管理 Health Management for Rabbit

 まず皆様に知っていただきたいのは、うさちゃん達は病気を隠そうとする動物です。
 これは、肉食動物が弱った動物を狙う習性がある事に対し、草食動物は病気を隠して弱っていないことをアピールする本能があるためです。そのため、病気になってもギリギリまで頑張ってしまうので、飼い主である皆さんにも病気の存在を隠してしまい、病気の発見が遅れてしまうのです。
 皆さんが見て明らかに病気と分かる症状の時は、かなり病気が重い状態の事が多いと思ってください。
 これもまた、ワンちゃん・猫ちゃん同様『病気になったら受診する(治療)』よりも『健康と思っていても何か問題がないか受診する(予防)』という事が、いかに大切なのかを示しています。
 ですから、私たち動物病院も『病気になって行く所』から『病気にならないために行く所』へ変化しつつあります。病気になってしまうと助からないものもありますから、ならないように予防を行う事がベストと思っていても間違いではありません。
 残念ながらうさぎさん達には、ワンちゃん達や猫ちゃん達のような予防に対するものがあまりありません。そのため、元気があっても定期的に病院を受診し、健康診断を行って病気の早期発見に努めていただく事がとても大切なのです。
 また先ほど述べたように、病気をギリギリまで隠す習性がありますから『今日はご飯を残しているな。ちょっと飽きちゃったかな?』や『いつもより動きがないけど、ちょっと遊びすぎて疲れちゃったかな?』とポジティブに考えないようにしてください。むしろ『いつもは完食するのに、今日はご飯を少し残しているのは何か病気になっちゃったかな?』や『いつもより動きがないのは、どこかきっと悪いんだ!』とネガティブに考え、できるだけ早く病院へ行きましょう。
 初期治療が早ければ早いほど、早く良くなる可能性や助かる可能性が高くなります。もし、病気でなかったとしても、先生に大丈夫というお墨付きを受ければその後も安心して生活できますね。
 そんな中で、うさぎさんに対する予防というと、下記のお薬がありますのでご覧ください。

<ノミ・ダニ予防>

 うさちゃん達の外部寄生虫の仲で代表的な存在がノミでしょう。ノミが身体に寄生すると痒みのために引っ掻いたり咬んだりして皮膚炎を起こすだけでなく、ノミの唾液に含まれる物質によってアレルギーを起こして、背中からしっぽにかけて脱毛やブツブツのかゆみを生じる皮膚病になります。また、大多数のノミの感染が起こり、吸血されると重度の貧血が起こる事もあります。
 ワンちゃん・猫ちゃん達ほど痒みを表にあまり出さない事もあり、どちらかと言うと掻くというより身体を舐めまわす事も多くなります。そうなれば、必要以上に被毛を抜いて飲み込むことになり『毛球症』というような病気誘発の可能性も高まります。
 うさちゃん達に寄生するダニは主にウサギツメダニやウサギズツキダニです。多くのうさちゃんは生れた時に親からの感染を起こし、ほとんどの場合がキャリアーとして症状もなく一生を終える事も多いです。ところが、怪我や病気などで免疫力が低下したり、何らかの理由でダニの数が増加した時に『痒み』と言う症状が出始めます。また通常あまり鱗屑(フケ)はない動物ですが、感染を受けると鱗屑が多数出てきて、ひどい場合は全身的に鱗屑が皮膚を覆うようになります。
 通常は、人間には寄生しませんが、うさぎさんを抱っこなどしていると身体が何かに刺されて湿疹のような皮膚炎を起こしたり皮膚が痒くなったりする場合は、人間を刺してイタズラをしていますので、動物病院へご相談していただけると、これらのダニの駆虫薬(スポットタイプ)をお渡しできます。
 ただし、スポットタイプのお薬はうさぎさんにつけると重い神経症状を発したり死んでしまう怖いものもありますので、うさぎさんに精通した先生にご確認して頂いてから使用してください。また、動物病院以外のホームセンターやペットショップで販売しているものも、上記の危険性があったり効果があまりなかったりするものがあるので、獣医さんが処方する物を使用してください。

<避妊・去勢>

 これらの手術は、不妊させる事が目的よりも、病気予防などのメリットのために行います。たとえば、発情時の性的ストレスの軽減、性ホルモン関与の病気予防になります。
 女の子は避妊しない事により、『子宮内膜増殖症』や『子宮腺癌』、『卵巣腫瘍』などがあります。特に女の子の場合、生理学的にワンちゃん・猫ちゃんと違い一年中発情しているような状態ですので、避妊手術をしていない女の子のうさぎさんのおよそ8割くらいが生殖器疾患になると言われています。また、未避妊のうさぎさんの乳腺腫瘍も多く見受けられ、当院の場合ほとんどは病理検査の結果『癌』の診断です。
 自然界では、被捕食者なため種が絶滅しないようにどんどん出産を繰り返す動物ですので、発情状態がずっと持続したまま妊娠を迎えない事が、身体のホルモンバランスを崩し、子宮や乳腺を刺激し腫瘍になるのではと言われています。
 だからと言って、ペットであるうさぎさんに妊娠・出産を繰り返していたら、家の中がうさぎさんだらけになってしまいますね。そのため、ワンちゃん・猫ちゃん達と同じく避妊手術を行う必要があるのです。
 また、うさぎさんは病気を隠す事がじょうずな動物であると共に、この生殖器疾患は自覚症状が余りないため、発見が遅れやすいという事です。そのような事を避けるためにも、現在うさぎさんの避妊手術はワンちゃん・猫ちゃん達のように当たり前の時代になっています。
 そして、今やうさぎさんの寿命は10歳以上と言われる時代になりました。そのため、去勢していない男の子のうさぎさんにも精巣の腫瘍や、陰嚢ヘルニアといった病気の発生が見られるようになりました。これらの病気は高齢で起こり、手術としては『去勢手術』を行う事になります。心肺機能の低下した高齢で手術を行うよりも、若い時に去勢手術を行えばこれらの病気は発生しません。(精巣を摘出しているので)
 近年うさぎさんを専門的に診療している先生は、男の子も去勢を勧める時代になったと思っています。

<デンタルケア>

 うさぎさん達も他の動物と同じくデンタルケアが必要ですが、ワンちゃん・猫ちゃんと違って歯みがきの事ではありません。それは、歯のつくりがワンちゃん・猫ちゃんと大きく違うからです。
 うさぎさんは、前歯だけでなく奥歯もあるのはご存知でしたか?
 今はほとんどのうさぎの飼い主さんはご存知だと思います。しかも、前歯だけでなく奥歯も一生伸び続ける歯(常生歯)を持っているという事が、ワンちゃん・猫ちゃんとの大きな違いなのです。
 ですから、うさちゃんたちの場合『歯みがき』という手段ではなく、『食餌の内容』という事に重点が置かれており、『適切でない食餌』をすることで『臼歯の不正咬合(または過長症)』が起こると言われています。そのため、当院では時間をかけて食餌指導をおこない、将来的に歯の病気にならないようにしています。
 たかが『食餌』、されど『食餌』です。皆さんもきちんとした食餌内容か、もう一度見直してみたり、病院へご相談する事が良いかもしれません。
 適切な食餌内容は、来院の際スタッフにご相談ください。
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