猫の健康管理 Health Management for Cat

 まず皆様に知っていただきたいのは、猫ちゃん達の予防はかなり確立されているという事です。
 これは、『病気になったら治療する』ではなく『病気にならないように予防する』という事が、どれだけ大事なのかを示しています。
 ですから、私たち動物病院も『病気になって行く所』から『病気にならないために行く所』へ変化しつつあります。病気になってしまうと助からないものもありますから、ならないように予防を行う事がベストと思っても間違いではありません。
 下記に記載する予防が猫ちゃん達には多くありますから、これらを行って可愛い家族の一員を病気にさせないようにしましょう。

<ワクチン(予防接種)>

★混合ワクチン
 子猫は母猫からの初乳を通じて、移行抗体と呼ばれる免疫をもらいますが、その有効期間は45~90日くらいまで、この移行抗体が切れる時期が、病気に対する抵抗力が失われる危険な時期といえます。この時期に母猫に代わって身体の中の免疫力を高めて、子猫を病気から守るものがワクチン接種です。
 混合ワクチンは、『猫ウィルス性鼻気管炎』や『猫カリシウィルス感染症』『猫汎白血球減少症』などの病気を予防するための3種混合ワクチンが有名ですが、そのワクチンに『猫白血病ウィルス感染症』『猫クラミジア感染症』の加わった5種混合ワクチンなどがあります。もちろん、種類が多ければその分病気を予防する数が多くなりますし、『人畜共通感染症』となると『猫クラミジア感染症』がそれにあたります。
 この中の『猫白血病ウィルス感染症』は、持続感染すると80%という高い数字で3年以内に死亡します。白血病やリンパ腫などの血液のガン、貧血などを起こします。病気に対する抵抗力(免疫)が弱まるため、いろいろな病気も併発しやすくなります。感染してから発病までの期間がたいへん長く、その間は見かけ上健康にみえますが、ウィルスをだ液中に排泄し、他の猫ちゃんへうつします。
 最近では、動物から人へ感染して問題を起こす『人畜共通感染症』がクローズアップされています。できれば、人畜共通感染症の観点からいえば、『猫クラミジア感染症』もその一つですので、可愛い愛猫を守るためでなく、動物たちから人間に感染を起こさせないように予防できるものが入ったワクチンがお勧めであるといえます。
★狂犬病予防ワクチン
 狂犬病ウィルスは、ワンちゃんだけでなく人も含めた全ての哺乳類に感染し、発症すればほぼ100%しにいたる病気です。日本では猫ちゃんへの接種は義務になっていませんが、先ほど述べたように全ての哺乳類に感染しますので、海外では猫ちゃんへの感染例もあります。
 海外へ猫ちゃんを連れて転勤や移住される場合、多くの国では狂犬病予防ワクチン接種が義務となっていますので、その際はきっちりと接種しなければいけません。国によっては、渡航数ヶ月から半年前に接種していないと連れて行けなくなる事もあるので、詳細などは大使館などに問い合わせをしてください。

<フィラリア予防>

 フィラリア(犬糸状虫)は、ワンちゃんだけでなく猫ちゃんにも感染する寄生虫です。ワンちゃんではフィラリアの成虫が心臓や肺動脈に寄生しますが、猫ちゃんでは成虫だけでなく仔虫が呼吸器系や循環器系に悪影響を及ぼすといわれています。ワンちゃんの心臓は大きいため、多くの場合慢性経過をたどる事が多いですが、猫ちゃんの場合は突発死を起こす事も少なくありません。
 予防はワンちゃん同様、予防薬を4月から12月まで毎月投与します。何故毎月投与するかは、ワンちゃんの<フィラリア予防>をご参照ください。

<ノミ・マダニ予防>

 猫ちゃん達の外部寄生虫の中で代表的な存在がノミでしょう。ノミが身体に寄生すると痒みのために引っ掻いたり咬んだりして皮膚炎を起こすだけでなく、ノミの唾液に含まれる物質によってアレルギーを起こして、背中からしっぽにかけて脱毛やブツブツのかゆみを生じる皮膚病になります。
 また、皮膚病だけでなくノミの成虫の中には条虫(さなだ虫)という消化管寄生虫の卵を持っているものもあって、痒みで皮膚を咬んだ時一緒にノミも飲み込んで、そのノミの中の条虫卵が猫ちゃんのおなかで孵化しておなかに寄生虫がついてしまいます。この寄生虫は、便検査ではなかなか見つけにくいタイプですので、便検査で寄生虫の卵が見られなくても、ノミがいたら同時におなかの虫下しも行う必要があるでしょう。
 もちろん、猫ちゃん達に寄生しているノミが、人間にもうつって刺したりして痒みや皮膚炎を起こしますので、猫ちゃん達に寄生しないように予防する事が必要となります。
 特に、家から自由に出たりできる環境下ではノミを持ってくるケースが多く見られます。そのノミが猫ちゃんを吸血し、家の中で産卵して卵が家の床に落ちるのです。卵から孵化したノミの幼虫はペットのフケや成虫の糞、人の食べこぼしを食餌として成長します。やがてさなぎとなり宿主が通りかかった時の振動を感じたときに羽化し、すぐに宿主に飛びついて寄生できるようになっています。すごく合理的なシステムですね。また、猫ちゃんの身体に見えるノミが5匹くらいいると、家の中には95匹ほどのノミの予備軍、つまり卵や幼虫、さなぎがいると言われています。
 ですから、ノミがついてしまってから駆除するよりも、ノミがついて吸血・産卵する前にすぐに駆除(ノックダウン効果)できるような予防が重要となる訳です。このノックダウン効果の高い予防薬が、病院で購入できる予防薬です。近年では、この薬の中にノミが成虫に成長できなくなるような成分(成長阻害剤)も含まれており、もし産卵してしまっても次世代以降のノミが家の中で増殖しないような仕組みになっています。
 当院の予防薬は、『成虫を駆除する』成分と『成長ができなくさせて駆除する』薬のWブロックで予防しますので、とても安心です。

 猫ちゃん達に寄生するダニは主にマダニですが、都市部の猫ちゃん達は、あまり外に出る機会がないためマダニなどが寄生する事も少なくなりました。しかし、生れた時すでに母猫から感染を受けているような『耳ダニ』というダニもいます。このダニはマダニと違い、かなり小さくて目で見つけるには見落としてしまうくらいです。その名のとおり耳(耳道内)に寄生する『耳カイセン』や『耳ヒゼンダニ』と呼ばれるダニが原因です。この『耳ダニ』も駆除できる認可のされた薬が当院にはご用意してあります。
 あまり、耳が痒く分泌物の多い猫ちゃんは、この病気も疑ってください。

<避妊・去勢>

 これらの手術は、まずは望まない妊娠を防ぎ、不幸な子猫を増やさないという事が目的があります。、排卵の仕組みがワンちゃんと違い異なる猫ちゃんは、交配すると排卵される仕組みのため、妊娠率がひじょうに高くてどんどん増える傾向になります。そのため、のら猫ちゃん達はどんどん増えてしまうのです。
 また、不妊させる事が目的よりも、病気予防などのメリットのためにも行います。たとえば、発情時の性的ストレスの軽減、性ホルモン関与の病気予防になります。
 女の子は避妊しない事により、『子宮蓄膿症』や『子宮水腫』、卵巣腫瘍や乳腺腫瘍などがあります。男の子は、攻撃性の軽減や尿石症、尿路の閉塞などの予防にもなります。
 特に、猫ちゃんの乳腺腫瘍は悪性のものが多く、いわゆる乳ガンというものが多数を占めるようです。ある程度の大きさになってしまうと、手術で摘出しても再発率や遠隔転移する可能性が高く、若い年齢である早期の避妊手術による予防が一番良いとされています。
 術式は、卵巣・子宮全摘出手術となります。手術費は、体重・年齢によって変ります。当ホームページに掲載している費用は基本料金ですので、詳細はスタッフにご相談ください。

<デンタルケア>

 猫ちゃん達も人と同じく、口腔内を清潔に保つ事が必要です。ただし、猫ちゃんはワンちゃん達よりもなかなか歯みがきが出来ない事が現状かもしれません。しかし、3歳の猫ちゃんの約80%に歯周病があるといわれています。
 歯の病気は、ただ虫歯になって歯が痛くなるだけではありません。じつは、歯についた歯垢が数日のうちに石灰化して歯石になります。その歯石のため、歯の周りの組織、いわゆる歯周組織が崩れてきて『歯周病』になります。歯肉と歯の間(歯周ポケット)が広くなり、そこへ更に歯垢がたまります。その歯垢の中で歯周病菌が増殖して、病原菌から出てくる毒素や菌本体が歯周の血管から身体に入り、最終的に心臓や腎臓に行きつき、心臓病や腎臓病を引き起こすと考えられています。
 また、猫ちゃんの達の歯は人やワンちゃんと違い、歯垢や歯石が付くことですぐに歯本体が融解や吸収されてしまい、歯周病になりやすいということです。特に歯みがきが困難な猫ちゃん達は、お年を取った時にいつの間にか多くの歯が抜けている事に気付く事も多く、そのような状態の猫ちゃん達はたいてい慢性的な腎臓病や心臓病を抱えているようです。また、これらの慢性的な腎臓病や心臓病は一生治りません。治療は完治ではなく、いかに持たせるかという治療になります。ですので、小さい頃からデンタルケアをして慣らして頂き、これらの病気にさせないように予防をされると良いでしょう。

<マイクロチップ>

 マイクロチップは、直径2mm、長さ役8~12mmほどの大きさで、生体適合ガラスで外側が覆われた小さなチップです。チップの中には、その猫ちゃんだけに与えられる15桁の数字のデータが入っていて、この数字は世界で1つだけの数字となります。
 例えば、迷子になってしまって場合や事故などで飼い主が分からない猫ちゃんがどこに逃げているのか、どこの病院で手当てを受けているのかなどが分かりませんでした。そのため、飼い主さんと長期の間、ずっと会えずに悲しい思いをした猫ちゃんや、似ているという理由で全く違う飼い主の方の元へいってしまうような事もあります。
 マイクロチップを入れてさえすれば、マイクロチップを専用のリーダーで数字を読み取り、データベースへ照合すればどこの猫ちゃんかすぐにわかります。そうすれば、飼い主の方が大切なワ猫ちゃんにすぐ会える可能性が高まるのです。
 こういった、災害を教訓に日本でもマイクロチップの挿入が広まりつつある感じです。これからいつ災害が起こるか分かりません。その時に困っても遅いですから、マイクロチップの挿入をご検討ください。
 また海外へ行く場合は、マイクロチップが挿入されていないとほとんどの国へ行けないくらい、狂犬病予防ワクチンと並ぶほど海外では徹底化されています。もし、マイクロチップを行うのであれば、スタッフへお気軽にご相談ください。
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